現在、犬に対する食事には、大きく分けて「市販フード」と「手作り食」の2つの形があり、それぞれに加熱処理を行った物と、非加熱処理(生)の物とがあります。もちろん市販フードは手作り食に比べて、栄養面や安全面、栄養吸収率、自由度等においてはるかに劣ります。それでも事情により、手作り食を与える事が叶わない場合には、せめて大切な愛犬の為に、より詳しい知識を身に付け、出来うる限り望ましい食事を与えるようにしましょう。
ペットフードには、「ドライ」、「セミモイスト」、「缶詰」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
『ドライフード』
水分含有量が全体の6~10%と、かなり少なく、保存に向き、手軽に与える事が出来ます。しかし、熱処理を行っている為、栄養を分解・吸収する働きを持つ酵素が失われているので、たとえ完全栄養食や総合栄養食をうたっているペットフードでも、その栄養を摂取出来ないまま体外に排出されてしまいます。その為、糞便量を増加させます。
『セミモイストフード』
水分含有量は全体の15~30%。飼い主の受けを良くする為に着色料が使われているケースも多く、他にも多量の添加物使い、消費期限を長くさせています。この添加物の中には貧血等の諸症状を起こす恐れのある物もあるので注意が必要です。
『缶詰フード』
水分含有量は全体のおよそ75%と、ペットフードの中で最も高く、しっかり密封されています。ドライフードに比べると、こちらの方が好む犬が多いようです。しかし、それでも手作り食と比べると摂取させる営養素の自由度は低いです。
ペットフードを選ぶ際にはいくつか注意しなければならない事があります。
①必要量の表記の仕方をチェックする
1日の必要量がグラム数だけで表記されている物よりも、代謝可能エネルギー量でも表記されている方がより望ましいです。
②ラベル表記が不鮮明な表記の物は避ける
例えば「肉類」、「副産物」等のようなあいまいな表記ではなく、「鶏肉」と言ったような鮮明な表記をしているものを選ぶようにする。)
③原材料の表記をチェックする
主要原材料の項目の最初から3つ目以内に動物性タンパク質が表記されている物を選ぶ。表記されている場合も鮮明な表記がされている方がより望ましい商品です。
④賞味・消費期限が短い物を選ぶ
賞味・消費期限が長いと、強い保存料が使用されてしまっている可能性があります。安全なものを新鮮なうちに与えるようにしましょう。
⑤植物性由来輸出物質や、ビタミンC等の安全性の高い物を添加物に使っている物を選ぶ
逆に気をつけたい添加物は「セレン化合物」、「BHT」、「BHA」、「エトキシキン」、「亜硝酸ナトリウム」、「食用赤色の3号、104~106号」「食用青色の4~5号」、「プロピレングリコール」等です。
市販フードを与える際には、これらのポイントに気をつけながら最も良いと思われるペットフードを選び、且つ低温低湿な場所に保存し、一度封を開けた物は、可能な限り早めに使い切るようにしましょう。
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